音の葉 備忘録

音楽への想いを徒然に

エレファントカシマシ 【2018 FUJI ROCK 】2018-7-27

今年からFUJI ROCKyoutubeで生配信されることになり、エレカシのライブも全て観ることが出来たことは、本当にラッキーでした。

1ヶ月前の声の不調から完全復活した宮本さんの歌声が、苗場の山々に響き渡ったこのライブを、世界中の人達に観てもらえて良かったと心底思いました。

それにしてもかなり攻めのセトリでビックリ!

FUJI ROCK 2018】

1. Easy Go
2. 奴隷天国
3. RAINBOW
4. 悲しみの果て
5. 旅立ちの朝
6. ガストロンジャー
7. so many people
8. ファイティングマン
9. おはようこんにちは
10.今宵の月のように


久々にみた宮本さんは、目がキラキラしていて、ハイテンションで、また若返ったように見えたので、体調がいいんだなとひと安心。

最初から【Easy Go】で飛ばしまくって、後半は男椅子にのってのパフォーマンス!

間奏で白シャツにネクタイを締め、黒のスーツでバッチリ決めた宮本さんと、白いタンクトップにテカテカ光る革の短パンにビーサン、サングラス姿の石くんが、並んでギターを弾いてる場面は目茶目茶シュールでした。

トミのドラムもまた進化していたような気がします。観るたびに更新されていくエレカシのライブは本当にすごい!
どれだけ練習してるんでしょう。。
エレカシはその練習量が音に表れるバンドなんですね。

次の【奴隷天国】ではイントロのみ宮本さんがギターを弾き、その後はハンドマイクで歌いながら走り回り、奥野さんのピアノがそれを追いかけるように響き渡っていました。
最後の「デェィア~!」からのエンディングもバッチリ決まって痺れました!

そして続けてまさかの【RAINBOW】!
最初の2曲だけでも、かなりエネルギッシュなのに、ここでさらに畳み掛けるようにこの曲を選ぶとは。。。このステージ、勝ちに行ってる気持ちがよーくわかりました!

ステージの端から端まで走り抜け、ネクタイをほどき、シャツのボタンを外し、乳首を摘み、さらにズボンまで脱いでしまいそうな宮本さんの勢いに終始ハラハラさせられっぱなしでしたが、「あ~幸せだったよ~♪」の後に「ベイベー!」と叫んだところが素敵で「もう何でもアリ!」と言う気持ちになってしまいました。

この曲を歌いきった後に、MCで「憧れのフジロックのステージに立ててうれしい、ありがとう」と言って、【悲しみの果て】が始まりました。
宮本さんの声の伸びも素晴らしく、演奏も力強く、何度聴いてもグッと来る曲です。

そして新しいアルバムからの【旅立ちの歌】は、日比谷野音zepp東京で聴いていますが、全てキーボード奏者が違っているので、同じ曲じゃないように響きました。

お腹の底から沸き上がるような宮本さんの声が、歩みを止めないで突き進んで行く、今のエレカシを表すような歌詞にすごく合っていて感動しました。
この曲も聴くたびに進化しているのがよくわかります。

そしてここからまた、怒濤の3曲が続きます!

【ガストロンジャー】では最初からハンドマイクで赤色のライトの中、圧巻のパフォーマンス!
途中、宮本さんが石くんの白いタンクトップの片腕を脱がす謎のパフォーマンスもあったりして、会場の拳率も高くなっていました。

【so many people】のギターイントロが始り、ノリノリのドラムが追い討ちをかけ、会場の熱気がまたまた上がって来たところで、最後に演奏がピタッと止まって「喜びを~」と歌う宮本さんの色っぽいこと!最高でした。

そして【ファイティングマン】では、石くんを前に引っ張り出して、サングラスを上にずらし、ゆっくり左右に顔を向けさせながらギターイントロを弾かせるパフォーマンス!これもとってもシュールでした。
石くんが歌に入る前に、宮本さんの顔色を伺いつつ、定位置にそ~っと戻っていく姿が笑えました。

この曲ではサポートギターのミッキーを前に出し、宮本さんが拳を振り上げたときにぶつかってしまったらしく、「あっ、ごめんなさい」と歌いながら謝っていました。ミッキーはそれに満面の笑みで応えていて素敵でした。

その後成ちゃんも前に引っ張り出され、ドラムのトミも宮本さんをガン見しながら激しく叩き、ラストは宮本さんが会場の方を向いて圧巻のフィニッシュ!

メンバーの紹介を始めたのでもう終わりなのかなと思ったら、「俺の好きな歌です。ここで歌おうと思って用意してきました」と話して始まったのが【おはようこんにちは】

これは今年の日比谷野音で、初めて生で聴いた曲ですが、あの時は喉の不調を気力でねじ伏せるような鬼気迫る感じでしたが、今回は歌詞に描かれた心情を、丁寧に伝えるかのような歌い方で聴き入ってしまいました。

宮本さんは初期の頃のセールス的には厳しかった曲たちを、今も本当に愛しているんだなと感じました。そしてその頃の歌を、たくさんの人に響くように歌う術を、この30年で会得してきたのだと思います。

「みなさん、本当にありがとうございました」と言う宮本さんの言葉に続いて【今宵の月のように】が始まりました。

乾いたギターの音に、心地よく重なるキーボードの音色に紅白の時のパフォーマンスが思い出されました。確かあの時のサポートキーボードも今日と同じ奥野さんでしたね。

丁寧で叙情的に歌い上げる宮本さんの声が、美しい夕焼け空に映えて、ライブのラストを飾るにふさわしい曲になりました。この曲を最後に聴けて、本当に嬉しかったです。

最後はメンバー全員で手を繋ぎ、深々とお辞儀をし、去り際に宮本さんが小学生のように「おしりだしてブッ!」っと言ってステージから消えていきました。

後に残ったのは広い空一面に広がる見事な夕焼けのグラデーション。。。大自然の中の最高の舞台演出でした。

エレカシFUJI ROCKでの全パフォーマンスを自宅にいながらにして体感できたことは、本当に嬉しかったです。

勿論、現地に行って生のライブを観る方が、この何倍も楽しいはずですが、諸事情でそれが出来ない人達にも、こんな素晴らしいライブを届けてもらえたことに、心から感謝します。

力強く美しい宮本さんの声が完全復活して、ますます磨きのかかった骨太のエレカシサウンドのこれからに期待が膨らむ1日でした。