宮本浩次【ソロライブ 】恵比寿リキッドルーム 2019-6-12 〔その1〕
今にも降りだしそうな梅雨空の下、宮本さんの初めてのソロライブの会場となる恵比寿リキッドルームに着いたのは午後5時過ぎ。
2Fに上がると狭いスペースの待合室とコインロッカーとドリンク売り場があり、グッズ売り場よりも女性トイレに長い行列ができていた。
観客の約9割が女性だったのには驚いた。
ほどなく整理番号700番以降の人は1階の屋外で待つように言われ、6時から開場が始まり、ようやく2階に上がれたのは6時半過ぎ。
そこから番号順に呼ばれ、スマチケと会員証と免許証を見せてやっと入場となった。
会場入口でドリンク代500円を支払い、とりあえずコインをもらい急いで会場に入るが、すでに狭いフロアは人で埋め尽くされていた。
段差のあるサイドの壁際にやっとたどり着き、カメラと人の隙間から、なんとか宮本さんの姿が見えそうな場所を確保できたのが6時50分くらい。
7時になり、ほどなく黒いシャツに赤い水玉のネクタイを締めた黒いジャケット姿の宮本さんが一人で現れる。
肉眼でも表情がわかるくらいの距離で、まずスタンディングのまま「風と共に」を歌い出すが、歌詞を間違えたからなのか、最初からもう一度やり直すいきなりのハプニング。
でもいつものエレカシライブの時のピリピリ感がなく、ギター も声もとても力強く狭い会場に響き渡り、このライブがどんな風になっていくのかが、この時点でとても楽しみになっていた。
2曲目はノリノリの日本酒CMソングで、会場も手拍子して盛り上がったのに、何とサビの部分しかまだ出来ていないとのことで、呆気なく終わる。残念だが、楽しみに完成を待ちたい曲となった。
この後、椅子に座って演奏しようとするが会場から「見えない」との声がかかり、それに応えて宮本さんは不安定な背もたれに腰かけて、初期エレカシ曲の「おはよう こんにちは」と「偶成」を歌う。
「偶成」は初めて聴く曲なので、歌詞にじっくり耳を傾けて聴いていた。
~ 俺はこのために生きてきた
ドブの夕陽をみるために ~
「偶成」のこの最後の歌詞が強く印象に残った。
宮本さんの歌詞は、自分の内面から湧き出てくる、混沌とした情念が直球で描かれているから、時に聴いていて胸が苦しくなるが、この人は本当に正直な人なのだなとつくづく思った。
そしてお馴染みのイントロが始まり、大好きな「四月の風」が始まる。手拍子が起こると宮本さんが首を横に振るので、みんな静かにじっと歌に集中して聴いていた。
そして次にマイクの横に置かれたパソコンを自分で操作して、リズムとコーラスを流しながら歌い出したのが、宮本さんが出演するソフトバンクのCMのバックに流れている曲。
まるでガストロンジャーを歌っている時の様に、途中からギターも弾かずにハンドマイクで端から端まで動きながら歌いまくる姿は圧巻だった。
宮本さんのパワー全開のパフォーマンスに、会場は割れんばかりの喝采だった。
これは生で聴けて本当に良かった!
やはり宮本さんの曲はライブでこそ真の輝きが現れるから、歌う姿を何度でも観たくなってしまう。
ひと息ついた後に座って歌い始めたのが、ライブでは初めて聴く「孤独な太陽」。
エレカシの中では地味なイメージの曲であるが、弾き語りだと、宮本さんの声が切なく深く浸透するようで、前の曲で熱くなった会場の空気を一気に一変させた美しい一曲となった。
大学時代の授業中に書いたというMCの後に独特なイントロとともに「太陽ギラギラ」が始まった。
さいアリでの夢の競演でミスチルの桜井さんがこの曲をカバーした時は原曲を知らなかったので、その色っぽさに圧倒された。今回宮本さんが歌うこの曲は、それとは全く違う力強い印象を受けた。
魂の底から声を張り上げ、力強くギターを弾き、足で床を踏み鳴らして、全身を楽器の様に使いこなす姿は凄まじかった。
宮本浩次と言う人間の世界観が、狭いライブハウスの空間を覆いつくしていた。
セットリストは以下の通り。
続きはまた後日。
【宮本浩次 ソロライブ セットリスト】
01.風と共に
02.going my way
03.おはようこんにちは
04.偶成
05.四月の風
06.解き放て、我らが新時代
07.孤独な太陽
08.太陽ギラギラ
09.冬の花
10.赤い薔薇
11.きみに会いたい-dance with you-
12.桜の花、舞い上がる道を
13.やさしさ
14.ファイティングマン
15.てって
16.待つ男
アンコール
17.月夜の散歩
18.デーデ
19.友達がいるのさ
20.花男