音の葉 備忘録

音楽への想いを徒然に

宮本浩次【ソロライブ 】恵比寿リキッドルーム 2019-6-12 〔その2〕

次に初披露となる宮本さんのソロデビュー曲の「冬の花」が始まるが、会場の前方で気分が悪くなった人がいることに気づいて演奏を中断。

他に気分が悪くなっている人がいないかどうか、会場を見渡し声をかけた後に、1番の途中まで歌っていたにもかかわらず、きっちり最初からやり直してくれる。

女性目線の歌詞が展開していくうちに、感情の起伏も激しくなり、最後はがなるような歌い方になっていき、やはり宮本さんの歌にはCD音源には収まりきらないパワーがあると改めて感じた。
最後のセリフも生で聞くとより素敵だった。

次は高橋一生さんが、原曲のキーにこだわってカバーしたと話していた「赤い薔薇」
歌い出しからかなり高いキーの曲なのに、宮本さんの太い声で歌われるとそう感じないのが不思議だ。
宮本さんの地声での音域の広さにきづかされた一曲だった。

そしてこのライブで是非聴いてみたいと思っていた高橋一生さんに提供した「きみに会いたい」を色っぽくノリノリで歌ってくれたのは嬉しかった!

宮本さんの歌うこの曲のデモを聴いた時、これを歌えるのか不安になったと一生さんが取材で言っていた気持ちがよくわかった。

ソロの新曲たちはそれぞれ違う彩りがありながら、全てが輝いていて、ソロアルバムが待ち遠しくなった。

そして季節的にやってくれると思っていなかった「桜の花、舞い上がる道を」が始まる。
この曲の力強さはギター一本でも十分に伝わった。
宮本さんは声も含め本当に全身が楽器の様な人だと痛感した。

そして久々にライブで聴く「やさしさ」。
丁寧にしっとりと歌い上げる宮本さんの姿に会場が静まりかえった。

その雰囲気をガラッと変えた「ファイティングマン」では会場と一体になって盛り上がり、「てって」「待つ男」と初期のエレカシ曲を歌って本編が終了。

この時点で8時半過ぎだった。

本編でのMCで覚えていることを羅列。(既に記憶が曖昧)

★今日がソロの初ライブ。このあともしかしたらツアーとかエレカシもあると思うけど、ソロのスタートとなるライブです。

★ソロライブは2日位やりたかったけど、会場が取れなかったので、どうせなら誕生日にやろうということで今日になった。こんな沢山の人に祝ってもらえるとは思ってなかった。嬉しい、本当にありがとう。

★白いシャツで出る予定だったけど、今日出来上がったばかりの黒の水玉の自分としては高価なシャツを着てみた。

★昨日は緊張してなかなか寝付けなくて、今日は3時間くらいしか寝ていない。

その他にも曲の前にチューニングしながら、ボソボソと独り言の様にしゃべったり、曲の合間にはまるで練習風景を見ているようなリラックスした雰囲気があり、いつものエレカシライブとは明らかに違う空気感があった。

アンコールは白いTシャツに黒いジャケット姿で登場。
「月夜の散歩」をしっとりと、次に「デーデ」を激しく歌った後に「俺の誕生日を祝ってくれてありがとう!みんなもハッピーバースデー!おめでとう!」と叫んで、ステージの端から端まで行って、笑顔で挨拶してくれた。
キラキラして若々しい幸せそうな笑顔だった。

「今日はありがとう、また会おう。」と言って歌い出したのが「友達がいるのさ」

しかし出だしのキーが高すぎたのか、「あれ?こんなだったか?」といって、何度かイントロからコードをさぐりながらやり直す。
やっとオリジナルキーで歌い出したと思ったら、途中から音程が崩れだし、宮本さんが泣いているのに気づく。宮本さんは目を瞑って必死に最後まで歌い続けていた。この曲を聴くとやはり宮本さんの後ろにはエレカシメンバーの存在を感じてしまう。

これが最後の曲かと思っていたら、歌い終わった宮本さんが舞台そでの監督さんに目配せして、急遽「花男」を歌い始める。
「サ・ヨ・オ・ナ・ラ~!」と曲に合わせて手を振って、最後に会場をノリノリにしてライブは終了。

2時間弱で20曲。あっという間だったけど、満足感は十分だった。

宮本浩次と言うアーティストの底力を見せつけられたライブだった。
想像していたソロ宮本浩次のパフォーマンスの何倍も先に行っていた気がする。
エレカシの歌係としての宮本さんが好きだと思っていた自分の気持ちが一変した。

このソロライブの大成功のパワーを、更なるエレカシの進化へと結びつけて行って欲しいと願う。

外に出るとうっすらと半月が見えていた。宮本さんにはやっぱり月がよく似合う。

宮本さんの53歳の誕生日を沢山のファンの人たちと一緒にお祝いできた思い出深い素敵な一夜となった。


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